WITH PEERのはじまり
なぜ、スポーツで「障害」に取り組み始めたのか
セネガルとの関わり
私たちは2016年〜2018年にかけて青年海外協力隊としてセネガルの小学校教育現場で活動していました。セネガルの学校現場も、1クラスあたりの児童が100人を超えたり、教科書がなかったり他のアフリカ開発途上国と同様の課題がありました。
ただ、子どもたちは学校に通うことが本当に楽しそうでした。屈託のない笑顔、自分を表現する姿、勉強に取り組む熱意…子どもたちに可能性を感じずにはいられませんでした。
帰国後もそのような人たちとセネガルの可能性を広げる活動に携わっていきたいといのが、当時の私たち心のどこかにありました。
そんな時に出会ったのが5人制サッカーでした。
パラスポーツ「5人制サッカー」との出会い
2018年5月、セネガルに日本ブラインドサッカー協会のスタッフと女子日本代表選手が来訪し、私たち当時の青年海外協力隊の隊員も協力し、現地の小学校や盲学校でブラインドサッカー®(5人制サッカー)を通じたダイバーシティ教育に携わりました。
この時に初めて出会った視覚障害者やスポーツをしている全盲の選手、その人たちの全力のプレー、それを観る子どもたちの反応・・・全てが当時の私たちにとって衝撃でした。
現地の子どもたちにとっても、視覚障害のある選手と直接交流することで障害者に対する接し方、イメージにも変化がありました。
スポーツのチカラの再発見
5人制サッカーのエキシビジョンマッチのできごとが鮮明に脳裏に焼き付いています。
アイマスクをして試合をした時に、5人制サッカーボールの「シャカシャカ」という音だけが横をすり抜けて、ゴールを決められました。
この時、目が見えないことを追体験したわけでも、目の不自由さの苦労を共感したわけでもありません。
同じ空間や時間を、スポーツを通じて、楽しみ、喜び、視覚障害の選手たちとのつながりを感じました。
スポーツによって作り出された場には、参加者全員が主役であり、
「障害者と健常者」ではなく、「人と人」をつなぐ空間がありました。
と同時に、当時のわたしたちはある疑問を抱きました。
「なぜ機能障害があるだけで、社会で生き難さを抱えているのだろう?」と。
今、わたしたちは
「個人の機能的な障害(目が見えない、〜できない)ではなく、
それを理由にその人を生き難くさせているのは社会の障壁や人々の態度にある」
と考えています。この社会が作り出す「障害」の解決。それにはスポーツが解決策になりうると考えています。
スポーツには、3つの可能性があります。
○ (環境)その空間を当たり前に誰もが共有することができる
○ (社会)多様性を肯定し、豊かな人間関係を作ることができる
○ (個人)自分自身の可能性を広げることができる
ここに共生社会を作っていく上でのヒントがあります。
だからこそ、私たちはスポーツで「障害」なき世界=地域共生コミュニティづくりを目指して挑戦するのです。